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会長からのご挨拶

2019年も4月となり、本学会も発足より10年目を迎えることになりました。本学会の前身である経営ディスクロージャー研究学会の発足(2001年)から数えますと19年目、もう1つの前身であるディスクロージャー研究学会の発足(1999年)から数えますと21年目になります。しかしながら、本年4月に平成という時代が終わりを告げますように、本学会も日本経営分析学会との合併により、2019年6月1日をもって消滅いたします。

合併後の新しい学会は、日本経済会計学会(The Accounting and Economic Association of Japan: AEAJ)という名称になる予定ですが、合併前の学会名称を引き継ぐ2つのソサイエティ(雑誌の編集とシンポジウム等の開催のみの業務を執行する機関)を設置するというソサイエティ制を採ることが決定されています。そのソサイエティの1つとして、ディスクロージャー研究学会(英語表記は Society for Research in Disclosure)を置き、ここに本学会の名残をとどめることになりました。

日本ディスクロージャー研究学会は、外部へのディスクロージャーという側面に焦点を当て、先端的な研究方法を追求する学会であったように思います。それに対し合併相手となる日本経営分析学会は、外部者による会計情報の利用に加え、内部管理目的での利用も視野に入れながら、実務への役立ちについても力を入れてきた学会であったように思います。このように立場を異にする両学会が合併することによって、新たなシナジーを産み出すのではないかと期待しています。

本学会が発足した当初は、研究対象や研究方法論などについて、日本経営分析学会との隔たりは大きなものがあったといえますが、近年、経営分析の手法が、伝統的な財務諸表分析から、資本市場のデータを用いた企業評価の手法へと進展するにつれ、研究方法論的な違いがあまり見られなくなってきたことも事実でしょう。また近年のAIやフィンテックの台頭に見られるように、情報技術の進展が、経営分析・ディスクロージャー研究にも押し寄せています。経済学やファイナンスの影響下にある現在の研究方法から、データマイニング(テキストマイニングを含む)や機械学習といった、情報技術をベースとした研究方法を適用する研究が見られるようになっています。

これらの研究動向から分かるのは、経営分析から企業評価への変遷を経て、ビジネス・アナリティックスへの更なる展開、いわば Business Analysis から Business Analytics への展開が控えているものといえるでしょう。このような新たな時代に向けて、平成の終わりとともに本学会も幕を閉じ、令和という新たな時代とともに新学会へと生まれ変わることになります。

研究活動の主戦場である学会誌については、『年報 経営ディスクロージャー研究』誌と『年報 経営分析研究』誌を統合し、新たに『経営分析研究』として2つのソサイエティのジャーナルとして位置付けます。また『現代ディスクロージャー研究』誌と発刊準備中の英文誌『Accounting Letters』は、新学会の機関誌として位置付けられることになりました。

単体の学会としての日本ディスクロージャー研究学会はまもなくなくなりますが、その研究スピリットは新学会へと受け継がれていくことでしょう。合併に向けて会計管理、会員管理、諸規定等の整備を進め、更なる研究の深化に資する組織となりますよう、最後の会長として努力を惜しまずに身を捧げる所存です。会員のみなさまのご理解とご支援をお願いいたします。

2019(平成31)年4月
日本ディスクロージャー研究学会
会長 坂上 学